債権回収会社(サービサー)を債権者とする支払督促が、簡易裁判所から送られてきたとの相談が多くなっています。

もともとの借入先(債権者)から、債権回収会社に対して債権譲渡がおこなわれた場合、また、債権者から委託を受けた債権回収会社が支払督促により請求をしてくることもあります。

今回のご相談は、委託者が有限会社ラックスキャピタル、債権者がオリンポス債権回収株式会社となっている支払督促です。

有限会社ラックスキャピタル、オリンポス債権回収株式会社のどちらも聞いたことがない会社だからといって、支払督促を放置してしまうのは絶対に避けるべきです。

債権回収会社が支払督促や訴訟を起こしてくる場合、全くの架空請求のようなものは通常無いと思われます(なお、仮に架空請求の類いだったとしても裁判による請求は無視すべきではありません)。

今回のケースでは、そもそもの借入先はアイク株式会社(現在のCFJ合同会社)です。アイク株式会社がCFJ株式会社(原CFJ合同会社)と合併した後、株式会社クリバース、有限会社ラックスキャピタルへと債権譲渡されました。

そして、現在の債権者である有限会社ラックスキャピタルから委託された、オリンポス債権回収株式会社が支払督促を起こしてきたわけです。

裁判所から書類が送られてきた場合、まずは専門家に相談することをお勧めします。簡易裁判所からの支払督促や訴訟については、司法書士(認定司法書士に限る)を代理人として手続きをすることが可能です。

督促異議申立てと消滅時効援用

簡易裁判所からの支払督促を受け取ったら、必ず「督促異議申立て」をします。督促異議申立をしないでいいのは、請求されている金額をそのまま一括で支払うという場合のみです。

支払い義務があるのを認める場合でも、分割払いによる和解を希望するときは督促異議申立てをしなければなりません。また、最終返済から5年以上が経過していて消滅時効が完成していると思われるときも、まずは必ず督促異議申立てをします。

この督促異議申立ての手続きは、代理人(弁護士、認定司法書士)によっておこなうことが可能なので、自分で手続きをするのが難しい場合には、すぐに専門家に相談してください。

私自身の経験としては、オリンポス債権回収株式会社から支払督促を起こされたとのご相談は複数回いただいていますが、これまではすべて消滅時効が成立しているものでした。

この場合、督促異議申立をするのに加えて消滅時効の援用をします。督促異議申立てをすると裁判の日時などを知らせる書類(口頭弁論期日呼出状)が裁判所から送られてくるので、それから答弁書により消滅時効援用をすることが出来ます。

また、督促異議申立てをするのと併せて、ただちに内容証明郵便によって消滅時効援用をしてもよいでしょう。

いずれの方法によっても、消滅時効を援用するとの主張を相手方(債権者)が認める場合には、口頭弁論期日の前に訴えを取り下げてくるのが通常だと思われます。

つまり、督促異議申立てと内容証明郵便による消滅時効援用をすれば、後は何もしないで待っているだけで相手方が訴えを取り下げてくるということです。