クレジットカードは1回払いのみで利用するならば大変便利なものであり、現金払いに比べて支払いが後で済むことや、ポイントがつくなどのメリットもあります。

リボ払いや分割払いなどにはせず、毎回の支払日に全額の支払いをしてしまう限りにおいては、クレジットカードだから使いすぎてしまうということも無いはずです。

実際、多数の債務整理を手がけ、各クレジットカード会社と任意整理や過払い金請求の交渉をしている私自身も、買い物をする際は現金よりもクレジットカードやスイカなどで支払うことが多いです。

リボ払いを終わらせたいと思うなら(目次)
1.リボ払いと1回払いの大きな違い
2.リボ払いにメリットはあるのか
3.なぜリボ払いの支払いはエンドレスなのか?
4.銀行カードローンで借りてリボ残高を払えば解決するのか
5.本当にリボ払いを終わらせるためには

1.リボ払いと1回払いの大きな違い

けれども、同じクレジットカードによる支払いであっても、1回払いとリボ払いとでは全く異なるものです。

それは、1回払いならば手数料(利息)が不要であるのに比べて、リボ払いでは実質年率15.0%などの手数料(利息)がかかるからです。

たとえば、リボ払いの元金がずっと50万円だったとします。毎月支払いをしているものの、いつも利用限度額いっぱいまで使ってしまうので、元金はずっと50万円のままだということです。

この場合、月々の支払額の中から、毎月6,250円が手数料として差し引かれていることになります(手数料の実質年率が15.0%の場合)。1年間だと75,000円もの手数料を支払っているわけです(500,000円×15.0%)。

繰り返しになりますが、クレジットカードの1回払いならば手数料はかかりません。それに対して、リボ払いだと高額な手数料を取られてしまうわけです。

2.リボ払いにメリットはあるのか

クレジットカードでリボ払いを利用するメリットは全くありません。リボ払いにした方がよいのは、クレジットカード会社に多額の手数料を支払いたいと思う人くらいです。

それでもクレジットカード会社としては、リボ払いならば何もしないでも多額の手数料が得られるので、リボ払いをどんどん使ってもらいたいわけです。そこで、リボ払いだと便利だとか、家計の管理がしやすいなどのメリットをでっち上げているのです。

エポスカードのショッピングリボ払いとはのページには次のように書かれています。

「リボ払い」とは、ご利用の件数・金額にかかわらず、毎月の支払額が一定になる便利なお支払方法です。
※ご利用には手数料がかかります。(実質年率15.0%)

たしかに毎月の支払額は一定になりますが、その支払額の中から多額の手数料が抜き取られているのです。そして、そもそものお話しとして、毎月の支払額が一定だとなぜ便利なのかが意味不明です。

三井住友VISAカードのリボ払いのメリットやご利用方法のページでの記述は次のとおりです。

リボ払いは、ご利用の件数・金額にかかわらず、毎月のお支払いを元金に手数料を加えてお支払いいただく方法です。
毎月のお支払いがほぼ一定だから、無理なく計画的にご利用になれます。

たしかに、毎月のお支払いがほぼ一定だから、家計の管理はしやすいかもしれません。たとえば、三井住友VISAカードのは毎月2万円を支払えばよいというのは分かりやすいです。

しかし、その2万円からは多額の手数料が差し引かれているわけです。現金払いや、クレジットカードであっても1回払いであれば、そんな手数料はかかりません。

結論として、クレジットカードをリボ払いにするメリットはやはり全く存在しないということになります。

3.なぜリボ払いの支払いはエンドレスなのか?

私のところへ勝手に送られてきたメールの中に、「なぜリボ払いの支払いはエンドレスなのか」というタイトルのものがありました。

その理由としては、「消費者金融並みに利息がかかる」、「元金がどのくらい減っているかが分かりづらい」などとしていて、それはそれでよいだろうと思います。

しかし、「リボ払いを終わらせたいと思うなら」との言葉に続けて貼られたリンク先をみると、その内容はいかがなものかと感じるようなものでした。

答えをいってしまえば、「銀行のカードローンでお金を借りてリボ払いの残高を完済する」というものです。具体的な手順として3つのステップが書かれています。

1 カードローンでリボ残高分を借りる
2 リボを完済する
3 カードローンを低金利で返済していく

そして、このメールのリンク先のページが何を目的としているかといえば、銀行ローンへの申込みをさせること。ページを見た人がカードローンに申込みすると、銀行からサイト運営者へ報酬が支払われるわけです。いわゆるアフィリエイトサイトといわれるものなのです。

4.銀行カードローンで借りてリボ残高を払えば解決するのか

たしかに銀行のカードローンの金利の方が、クレジットカードのリボ払いの手数料より、実質年率が低い場合が多いのは事実です。けれども、カードローンの金利は借入限度額によって変わってくるので、50万円程度の借り入れであればリボ払いの手数料と大差ないかもしれません。

たとえば、みずほ銀行のカードローンは実質年率が年2.0%~14.0%で最大極度額が800万円となっています。金利が年2%なのは極度額(借入限度額)が800万円の場合のみであるはずで、50万円ならば実質年率14.0%でしょうからリボ払いの手数料である実質年率15.0%とほとんど変わりません。

リボ払いを終わらせるために銀行のカードローンを使うならば、50万円を借り入れすれば済みます。もしも、金利を抑えるためにもっと多額の借入をするというのでは本末転倒な話です(金利は低くても借入残高が多ければ、支払うべき利息は多くなります)。

また、銀行カードローンによる借入により1度はリボ払いを完済したとしても、クレジットカードをそのまま持っていたとすれば、まず間違いなく再びリボ払いを利用してしまいます。

そんな馬鹿なことをするはずが無いと思う方は、2度とリボ払いを利用しなければよいのですが、現実としては再び利用してしまう人が多いのが事実です。そうなれば、銀行カードローンの残高と、クレジットカードのリボ払いの残高とで、借金が2倍になってしまう可能性も高いのです。

5.本当にリボ払いを終わらせるためには

もしどうしても、銀行カードローンからの借入でリボ払いを終わらせようと思うならば、リボ残高を0にしたらすぐにクレジットカードを解約することです。

ただし繰り返しになりますが、リボ払い残高である50万円程度の借入であれば、そのままリボ払いの支払いをしているのと金利(手数料)はたいして変わりません。

よって、わざわざ銀行カードローンからの借入をせずとも、新たにリボ払いをするのは止めにして返済のみに専念すればいいわけです。さらに繰り上げ返済をしていくことで早く残高を減らすことができます。

結局、リボ払いを終わらせるために、銀行カードローンからの借入をするなんてのは絶対避けるべきです。言い方は悪いですが、それで本当にリボ払いが終わって解決に至るような人ならば、もともとリボ払いを限度額まで使ったりしません。

リボ払いを早く終わらせたいなら、新たな利用をせずに返済のみに専念すること。そして、可能であれば繰り上げ返済をしていくことです。借金を減らすために借金をするなんて方法で、うまく行くはずがありません。

そして、リボ払いの件数が多くなってしまっていたりして、新たな利用をせずに返済に専念していくのが不可能だとすれば、専門家(弁護士、認定司法書士)に依頼しての債務整理が必要な状況になっているといえます。何度も書いていますが、借金をすることで借金を無くすなんていう話は無いのです。