消費者金融やクレジットカードによる借金を延滞したままになっているのだけれども、やっぱり時効援用をした方が良いのかとの相談を多くいただきます。このときまず確認すべきは、現時点で通知書(請求書、督促状)などは届いているのかということです。

通知書(請求書、督促状)が届いているとき

現在も通知書などが届いているのであれば、債権者にはまだ請求を続ける意思があるということですし、現実的にも督促を止めるために時効援用する意味はあります。

ただし、消滅時効が成立してからも機械的に督促がおこなわれているだけのようなときは、あえて急いで時効援用をしなくても問題は生じないかもしれません(通知書が届くこと自体は問題無いという場合)。

このようなケースでは、債権譲渡がおこなわれた後に、債権譲渡を受けた債権回収会社が訴訟(または支払督促)により請求してくることがあるので、そのときは必ず適切な対応をするべきです。

しかし、督促状が届いているだけでは時効が中断することもありませんし、とくに状況が変わるわけではありません。よって、急いで対応をしなくとも特段の問題は生じないというわけです。

それでも、何もしないでいれば信用情報にいつまでも延滞などの状態が残っていることもありますから、信用情報を早く回復させるためには時効援用をする意味はあります。

全く請求が来ていないとき

もうずっと請求書などは届いていないのだけれども、時効援用をした方が良いのかと相談を受けることもありますが、この場合にはまずご自身の信用情報を調べてみるべきです。消費者金融から借入をしていたならJICC、クレジットカードならばCICに信用情報の開示請求をします。

そして、信用情報に延滞、異動などの記録が残っていれば、現時点では請求が全く来ていないとしても時効援用をする必要性があります。時効援用により債務が消滅すれば延滞解消となるので、延滞等の情報が消えることとなります。

けれども、信用情報にその債権者についての記録が載っていなかったとすれば、現時点で時効援用をする必要は無いでしょう。信用情報に記録が無く、督促もおこなわれていないのであれば何も不都合は無いからです。

ただし、信用情報から消えていたとしても、元々の債権者から債権譲渡を受けたとする債権回収会社などからその後に請求を受ける場合はあります。つまり、信用情報に乗っていないからといって、もう絶対に裁判を起こされたりすることが無いと言い切ることはできないわけです。

しかしながら、債権譲渡をすることにより新たに信用情報に記録されることはありませんから、実際に請求を受けるまではどこが現在の債権者になっているかは分かりません。結局は、請求が来るまでは何も出来ませんし、何もする必要は無いわけです。