自己破産の申立をする際にかならずかかるのは裁判所費用です。この他に、弁護士や司法書士に依頼すればその報酬がかかることになります。

自己破産申立は、絶対に弁護士や司法書士へ依頼する必要があるものでは無く、自分自身で書類作成をして裁判所へ申立をすることも認められています。

しかしながら、経験の無い個人が自分で自己破産申立をするのはほとんど不可能といってもよいでしょう。また、弁護士や司法書士以外が破産申立書などの裁判所提出書類作成をするのは法律で禁止されています。

したがって、比較的費用が安くて分割払いに応じてくれる、弁護士や司法書士を探して依頼するのが現実的だといえます。弁護士や司法書士によって、大きく費用が違うことがありますので、総額でいくらかかるのか依頼する前に確認しましょう

1.裁判所でかかる費用

自己破産の申立をする際に裁判所でかかる費用は、申立手数料1,500円(収入印紙)、官報公告費用10,584円(現金)、郵便切手4,100円分(東京地方裁判所の場合)の合計16,184円となります。

裁判所によって必要な切手が違いますが、上記の金額と大きく違うことは無いでしょう。したがって、自己破産の申立にかかる費用のうち、裁判所費用はそれほど大きな金額とはなりません。

ただし、同時廃止の手続きとならず、破産管財人が選任されるときには最低でも20万円の予納金が更に必要となります。同時廃止になるか、管財手続になるかによって、裁判所でかかる費用が大きく変わってきますので注意しましょう。

自己破産に詳しい専門家(弁護士、司法書士)であれば、同時廃止・管財手続のいずれになるかはだいたい予想が付きます。思いもかけず突然、管財手続になるということは通常ありませんから、手続きの見通しを立てた上で自己破産を選択するか決定することになるでしょう。

2.弁護士・司法書士に支払う費用

自己破産申立の依頼は、弁護士、司法書士のいずれかにすることになります。

弁護士の場合には申立代理人として手続きをおこなえるのに対し、司法書士が出来るのは申立書の作成および裁判所の提出に限られます。

司法書士の方が報酬が安い場合が多いのはそのような違いにもよりますが、会社代表者や個人事業主ではない個人の自己破産申立で、さしたる免責不許可事由も無いような場合には、司法書士に依頼するのでも問題ないことが多いでしょう。

自己破産申立の経験が豊富な司法書士であれば、弁護士を申立代理人とするべきか、司法書士が書類作成をしての本人申立で問題ないかの判断は付きます。しっかりと説明を受けて納得したうえで依頼するかどうかを決めるべきです。

司法書士の場合、自己破産申立の報酬は20万円(税別)程度であれば、比較的安い報酬設定だと考えてよいでしょう(同時破産廃止が見込まれる場合)。

もっと安いところもあるかもしれませんが、自己破産申立には手間がかかりますから、あまりに安いところは経験が少なかったりする不安もあります。

弁護士の場合、自己破産申立の報酬は30万円(税別)くらいならば低額といえるはずです。かつては、着手金20万円で、成功報酬も同額程度のところが多かったと思われますが、今では着手金のみで成功報酬はかからないところも増えています。

よって、上記の30万円(税別)というのは弁護士報酬の総額です。これと、裁判所費用16,184円(東京地裁の場合)の合計が、弁護士に依頼した場合の最低額というわけです。

司法書士でも弁護士でも、もっと費用が高額なところも多いです。しかし、費用の高い安いと、手続きが上手く行くかどうかは基本的に関係ないと考えるべきでしょう。

どの弁護士や司法書士に依頼するかを決める際には、相談に行ったときに詳しく話を聞いてからにするべきです。ちゃんと説明してくれなかったり、質問に対して納得のいく答えが得られないときには依頼すべきではありません。