前回の記事(リボ払いを終わらせたいと思うなら)に引き続き、リボ払いのお話しです。

クレジットカード会社はリボ払いを利用して貰うためのキャンペーンを実施していることがあります。このキャンペーンを上手に利用するならば、リボ払いでも得になるかを考えてみます。なお、この記事では三井住友VISAカードが実施しているキャンペーンを見てみましたが、他社でも似たり寄ったりの内容だと思われます。

リボ払いのキャンペーンは得なのか(目次)
1.なぜリボ払いを薦めてくるのか
2.キャンペーンに当選すればリボ払いの方が得なのか
3.リボ払いでは絶対に損します

1.なぜリボ払いを薦めてくるのか

クレジットカード会社は、利用者が1回払いでなく、リボ払いにしてくれた方が儲かります。リボ払いならば年率15.0%などの手数料をカード利用者から取ることが出来るからです。

1回払いの場合にはカード利用者には手数料がかかりません。1回払いでは、手数料を払うのはクレジットカードでの支払いを受けた加盟店のみであり、利用者にはカード払いすることによる負担は一切ないのです。

したがって、年会費のかからないクレジットカードならば、利用者はポイント還元などによる利益を受けるのみで、損をすることは全く無いわけです。

ただし、利用者が損をすることが一切ないのは、手数料がかからない1回払いの場合のみです(カード会社によっては、2回払い、ボーナス一括払いもで手数料はかかりません)。

最初にも書きましたが、リボ払いの場合には年率15.0%などの高額の手数料がかかります。この手数料は現在の残高に対してずっとかかり続けますから、月々の支払額は一定であってもそこから高額な手数料を差し引かれているわけです。

利用者に気付かれないようにして高額な手数料を巻き上げるのがリボ払いの本質です。クレジットカード会社のウェブサイトなどを見ればリボ払いについての解説がされていますし、さすがに利用者を騙しているわけではありません。

けれども、月々の支払額が一定になるとか、家計の管理がしやすくなるとか、聞こえのよい言葉ばかりを目立たせるようにしてリボ払いを使うように仕向けているクレジットカード会社が存在しています。

たとえば、三井住友VISAクラシックカード/クラシックカードAの入会案内ページには、お支払い方法の欄に次のような記述があります。

お支払い方法は、便利なリボ払い「マイ・ペイすリボ」をおすすめします。ご入会時に「マイ・ペイすリボ」をご指定になると、各種特典がございます。

リボ払いの本質を知らない人であれば、便利だし特典があるならばリボ払いの方が得だと思ってしまうかもしれません。

2.キャンペーンに当選すればリボ払いの方が得なのか

さらに、「リボ キャンペーン」でGoogle検索をしてみると、三井住友VISAカードのページが上位に表示されます。こちらの会社はリボ払いを推奨するCMをやっていますし、何とかしてリボ払いにしてもらいたいようです。

三井住友といえば銀行系なのだから、信用できる安心だとのイメージを持たれている方も多いでしょうが、やたらとリボ払いを薦めてくるやり方は品が良いとはいえませんし決して良心的ではありません。

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もちろん、リボ払いのキャンペーンにより手数料を上回るキャッシュバックを受けられたりするならば、リボ払いを使うのも悪くないのかもしれませんが、当たり前のことながらそんなに上手い話は転がっていません。

「期間中のリボ払いご利用金額合計1万円(含む消費税等)を1口として抽選」し、1等賞の「10万円キャッシュバック」はたったの20名、2等賞の「1万円キャッシュバック」が200名です。申込みが何口になるのか分かりませんが、たったの20名では当選する可能性は極めて低いでしょう。

そして、リボ払いの残高が1年を通じて50万円のままだった場合、1年に支払う手数料は7万5千円です(実質年率15.0%の場合)。仮に1等賞が当たったとしても、その後、リボ払いを使い続けたとすれば、10万円のキャッシュバックなどすぐに取り返されてしまいます。

1等賞が当たってもその程度の商品しか貰えないのですから、こんなキャンペーンはリボ払いを使わせるためのただの罠としか思えません。リボに登録するともれなく貰えるギフトカードなど1か月分の手数料分にもならないかもしれません。

3.リボ払いでは絶対に損します

結論としてはよっぽど特殊なキャンペーンをおこなっているクレジットカードが無い限り、リボ払いで得することは絶対にありません。

もし得をするとすれば、三井住友VISAカードのキャンペーン時だけにリボ払いを利用して1等が当選し、その後はリボ払いを一切使わないというような場合に限られるでしょうか。

繰り返しになりますが、クレジットカードは1回払いで利用しているのと、リボ払いで利用しているのでは全くの別ものだといえます。

1回払いのみで使っている人はポイントサービスなどにより得します。しかし、全員が1回払いだけではクレジットカード会社は儲からないので、その仕組みが分かっていない人をリボ払いに誘導して利益を上げようとしているのです。

リボ払いは一気に50万円の買い物をしても、支払いは少しずつおこなうことができます。これはつまり、借金をしているのと同じことです。リボ払いを使っているというのは、消費者金融などで借金をするのと同じことだと認識しましょう。

複数のクレジットカードでリボ払いを使っていたとすれば、総残高が200万円とか300万円に達してしまうのも決して珍しいことではありません。それは、200万円、300万円の借金があるのと全く同じことです。

支払いが出来ないならば、専門家(弁護士、認定司法書士)に相談して債務整理をするしかありません。リボ払いを安易に使うのは、多重債務への第一歩だと心得ましょう。