妻と、夫の兄弟姉妹が相続人である場合の遺言書

被相続人が遺言書を作成していない場合で、法定相続人が複数いるときには、相続人の全員により遺産の分割について話し合いをします。この話し合いの事を遺産分割協議といいますが、遺産分割協議には相続人の全員が参加しなければなりません。

例えば、子供がいない夫婦で、両親がすでに亡くなっている場合には、被相続人の兄弟姉妹が相続人となります。つまり、配偶者である妻と、夫の兄弟姉妹が遺産分割協議をすることになるわけです。

生前に親密な付き合いをしており、遺産の分割についても合意ができているのであれば良いですが、夫がすでにいない状況で、夫の兄弟姉妹と話し合いをするのは難しいことも多いと考えられます。

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2013年6月11日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:相続の基礎知識

生前に遺留分放棄できるのか?

前回の投稿で述べたように、被相続人の生前に、その推定相続人が相続放棄をすることはできません。ところが、同じ「放棄」であっても、遺留分の放棄については被相続人の生前におこなうことが可能です。

生前に遺留分放棄をするのは次のようなケースが考えられます。

まず、子の1人には相応の生前贈与を行い、他の子には遺言書により全ての遺産を相続させることにしたとします。生前贈与を受けた子供はそれを納得していたはずが、いざ相続が開始してみると遺留分を主張するということも考えられます。

もしも、相続人が2人の子供のみであったとすれば、生前贈与を受けた子供についても、遺産全体の4分の1を遺留分として受け取る権利があるのです。たとえ遺言書により遺産相続する者を指定したとしても、遺留分を侵害している場合には、その減殺請求をすることができます。

そのようなことを防ぐには、家庭裁判所へ遺留分放棄の許可審判申立をすることができます。申し立てが出来るのは、遺留分権を有する相続人で、相続の開始するまでならいつでも行うことができます。

遺留分放棄の許可審判申立をすると、遺留分の放棄が申立人の真意に基づくものであるかどうか、均分相続の理念に反するような他からの強制に基づいたものではないか、相当な生前贈与があったかどうかなど、慎重に調査が行われた上で許否が決定されることになります。

なお、遺留分の放棄は、相続放棄とは違います。放棄するのはあくまでも「遺留分」ですから、相続人でなくなるわけではありません。

もし、遺留分放棄者へ遺産を承継させるような内容の遺言書があれば、その人が遺産相続することもあり得ます。遺言書を作り直した場合は、後に作ったものが有効となりますから、このようなことが絶対にないとはいえません。

上記のような特殊なケースは別として、遺留分放棄は、遺言書の作成とセットでなければ意味がないのは当然です。遺言により遺産を相続させた者に対して、遺留分の主張をすることを防ぐためにするのが、遺留分放棄だからです。

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未成年者のための特別代理人選任

親権と利益相反行為

「成年に達しない子は、父母の親権に服する」とされています(民法818条)。この親権の内容には大きく分けて、子の身上監護権、財産管理権があります。

この財産管理権の一部として、子の財産に関する法律行為についてその子を代理する権利、いわゆる「法律行為の代理権」があります。

ところが、親権者による法律行為の代理権は、利益相反行為にとなる場合には行使することができません。具体的には次のとおりです。

1.親権者と、その親権に服する子の利益が相反する場合
2.同一の親権者の親権に服する子の一方と、他方との間で利益が相反する場合

1の場合には、子のために特別代理人の選任が必要となり、2の場合には利益相反する子の一方のために特別代理人の選任が必要です。

親子の間で利益相反行為にあたるかの判断

利益相反行為にあたるかどうかは、主に行為そのもので判断すべきであって、親権者の意図や動機あるいはその効果を考慮すべきではないとされています。よって、「子の債務につき、子が所有する不動産に抵当権を設定することは、借入金を親権者自身の用途に供する動機があっても利益相反にならない」が、「親権者自身の債務につき、子の所有不動産に抵当権を設定することは、借入金を子の養育費に充当する意思があったとしても利益相反になる」とされています。

相続手続において、特別代理人の選任が必要となる主なケースは、相続放棄、遺産分割協議の場合です。

子の相続放棄と利益相反行為

相続放棄では、親権者が子を代理して相続放棄し、自らは相続放棄しなかったとすれば、親権者が遺産を独占できてしまうからです。よって、このような恐れがない場合、具体的には「親権者が相続放棄申述をした後に、未成年者全員を代理して相続放棄申述をする」、また「親権者と未成年全員が同時に相続放棄申述をする」場合には特別代理人選任は不要です。

親子間の遺産分割協議と利益相反行為

遺産分割協議の場合には、共同相続人のうち誰がどれだけの遺産を相続するかについて相続人間で利害の対立があるから、一人の親権者が複数の子を代理して遺産分割協議を行えば利益相反行為となります。

よって、その遺産分割において、親権者、および子二人の全員が相続人である場合、子二人について、それぞれ別々の特別代理人を選任する必要があります。

特別代理人の選任申立ては、子の住所地の家庭裁判所へ行います。特別代理人になる人の資格にはとくに制限はなく、子の親族であるかどうかも関係ありません。特別代理人は家庭裁判所が選任するものではありますが、現実には、申立書に記載した「特別代理人候補者」がそのまま選ばれるケースがほとんどだと思われます。

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遺留分減殺請求の方法、時期

1.遺留分減殺請求とは

遺留分を侵害された遺留分権利者(または、その承継人)は、その遺留分を侵害する遺贈や贈与を受けた受遺者または受贈者から、自らの遺留分に相当する遺産を取り戻すことができます。このために行うのが遺留分減殺請求です。

承継人とは、第一には遺留分権利者の相続人などの包括承継人を指しますが、遺留分減殺請求によって取り戻そうとする財産を譲り受けた人などの特定承継人も含まれます。

また、遺贈とは、遺言により相続人以外の第三者に相続財産を贈与することです。よって、遺留分減殺請求の相手方は、相続人以外の者に限られるようにも読めます。しかし、遺言により相続人に対して指定された相続分が遺留分を侵害する場合も、遺贈に準じて取り扱うものとされていますので、相続人に対する遺留分減殺請求も可能です。

2.遺留分減殺請求の方法、時期

遺留分減殺請求の方法には決まりが無く、遺留分減殺請求をするとの意思表示をするだけで効力が発生します。ただし、遺留分減殺請求の意思表示をしたことを明確にするためにも、配達証明付きの内容証明郵便を利用した方が良いでしょう。

遺留分減殺請求権は、遺留分権利者が、相続の開始および減殺すべき贈与または遺贈があったことを知ったときから1年、相続開始の時から10年を経過すると時効消滅します。
3.遺留分減殺請求の対象と順序

遺留分減殺請求の対象は、遺贈及び次に示す贈与です。

1.相続開始前の一年間にした贈与
2.当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知っておこなった贈与

また、遺留分減殺請求の対象となる遺贈、贈与が複数ある場合、まずは、遺贈を減殺し、その後に贈与を減殺します。

遺贈が複数ある場合、その価格に応じ按分して減殺します。ただし、遺言者がその遺言により別段の意思表示をしているときは、その意志に従います。一方、贈与が複数ある場合には、後に贈与されたものから、順にさかのぼって減殺していきます。

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2012年10月26日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:相続の基礎知識

相続人の遺留分とは

相続人が2名以上の場合(共同相続)、それぞれの共同相続人は、遺産に対し法定相続分を相続する権利があります。

しかし、被相続人は、遺言書により相続分を指定することなどによって、法定相続分と異なる割合で相続させようとしたり、さらには全ての財産を特定の人に引き継がせることも可能です。

ところが、このような場合でも、一定の相続人には被相続人の意思に関わらず、最低限の相続分を受け取る権利が与えられています。これを遺留分といいます。

遺留分がある相続人は、配偶者(夫、妻)、子(またはその代襲相続人)、直系尊属(父母、祖父母)で、兄弟姉妹(およびその代襲相続人)に遺留分はありません。被相続人の意思に反してまで、兄弟姉妹に遺産を相続する権利を与える必要はないからでしょう。

遺留分がある相続人についての、具体的な遺留分の割合は次のとおりです。

1 直系尊属のみが相続人である場合 被相続人の財産の3分の1
2 それ以外の場合 被相続人の財産の2分の1

遺留分権利者が複数いる場合は、遺留分全体を民法の法定相続分の割合に従って分配します。たとえば、遺産の総額が2000万円で、相続人が妻と子2人の場合の遺留分は次のようになります。

遺留分の総額は、相続財産の2分の1なので1000万円。法定相続分は妻が2分の1、子はそれぞれ4分の1ずつ。したがって、妻の遺留分は500万円、子は250万円ずつ。

よって、たとえば、「妻に全ての財産を相続させる」との遺言を残して夫が亡くなった場合でも、子はそれぞれ遺留分である250万円を請求する権利を持つのです。

もしも、遺留分相当額の遺産すらも特定の相続人に与えたくないと考えるのであれば、その相続人の廃除を家庭裁判所に請求する方法があります。しかし、推定相続人の廃除は、被相続人に対する虐待が著しいような場合で無ければ認められませんから、相続人から遺留分の権利さえ奪うというのは特殊なケースに限られるでしょう。

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2012年10月26日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:相続の基礎知識

推定相続人の廃除

子供は親の遺産を相続する権利をもっています。たとえ、遺言によりその子供には遺産を相続させないものとしても、子供には遺留分の権利がありますから、全く遺産を相続させないとするのは難しいです。

しかし、子供から再三にわたって暴力を受けたり、ひどい言葉を毎日のように浴びせられている等の理由がある場合には、推定相続人の廃除という制度があります。家庭裁判所に推定相続人の廃除を申し立てしてそれが認められれば、その子供は遺産を相続する権利を一切失うことになります。

先にも述べたとおり、特定の相続人に一切の遺産を渡したくないと思っても、(兄弟姉妹を除く)法定相続人には遺留分があるため、自らの遺留分相当の遺産を渡すよう請求することができます(遺留分減殺請求)。

しかし、次に掲げる事由があるときには、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができるのです。

1.推定相続人が、被相続人に対して虐待をしたとき
2.推定相続人が、被相続人に重大な侮辱を加えたとき
3.推定相続人にその他の著しい非行があったとき

なお、推定相続人とは、相続が開始した場合に相続人となるべき者をいいます。たとえば、自身に妻と子二人がいる場合、その妻と子二人が推定相続人です。

家庭裁判所により廃除が認められると、廃除された者は相続権を失います。相続人ではなくなるため、遺留分も当然ありません。このように推定相続人の廃除は強力な効果を生じさせますから、家庭裁判所に申立をすれば簡単に認められるというわけではありません。

廃除事由に該当するかの判断は慎重に行われており、その基準としては、「当該行為が被相続人との家族的共同生活関係を破壊させ、その修復が著しく困難なほどのものであるかどうか」によります。

推定相続人の廃除を家庭裁判所に申立できるのは、被相続人に限られ、他の推定相続人が申立をすることはできません。ただし、廃除の意思表示は遺言により行うこともでき、その場合は、遺言執行者が家庭裁判所に対して廃除の請求をすることになります。

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2012年10月25日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:相続の基礎知識

法定相続分の決まり方

相続人が2名以上いる場合、相続人それぞれがどれだけの遺産相続権を持つかについては民法により規定されています。

まず、相続人が1名であれば、当然その相続人が全ての遺産を相続します。たとえば、配偶者のみが相続人であるときは、配偶者が相続財産の全てを取得します。

子(直系尊属、兄弟姉妹)のみが相続人である場合も同様です。もし、子が複数の場合は、その子達が同じ割合ずつ相続する権利を持ちます(ただし、非嫡出子の相続分は、嫡出子の半分)。

また、子(または、直系尊属、兄弟姉妹)と、配偶者が相続人になるときの相続分は次のとおりです。

(ケース1)
相続人:子および配偶者
相続分:それぞれ2分の1ずつ

(ケース2)
相続人:直系尊属および配偶者
相続分:配偶者が3分の2、直系尊属が3分の1

(ケース3)
相続人:兄弟姉妹および配偶者
相続分:配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1

前述のとおり、子、直系尊属、兄弟姉妹が数人いるときは、それぞれの相続人は同じなので、たとえば、相続人が子2人と配偶者であるならば、相続分は子がそれぞれ4分の1ずつ、配偶者が2分の1となります。

なお、法定相続分とは、あくまでも法律(民法)によって、法定相続人それぞれの遺産に対する権利を定めたものです。たとえば、法定相続分が2分の1であれば、自分が遺産の2分の1を取得することを主張できるということに過ぎません。

従って、相続人間で合意すれば、法定相続分と異なる割合で遺産を引き継いでも一向に構いませんし、相続人の1人が全ての遺産を相続しても問題ありません。そのためにおこなうのが、遺産分割協議です。

主たる相続財産が自宅マイホームだけという場合には、相続人のうちの1人に不動産の名義変更をしたとすれば他の相続分はわずかになってしまいますが、皆が同意しているならそれでいいわけです。

また、被相続人は、遺言によって、法定相続分と異なる割合で遺産を引き継がせることも可能です。ただし、遺留分を侵害している場合、、遺留分を侵害された相続は、遺留分減殺請求をすることができます。

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2012年10月25日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:相続の基礎知識

非嫡出子とは

法律上の婚姻関係にある夫婦から生まれた子のことを嫡出子、婚姻関係に無い男女の間に生まれた子のことを非嫡出子といいます。

非嫡出子であっても、父が認知していれば、当然その父の相続人となります。しかし、非嫡出子の相続分は、嫡出子の半分となります。

なお、非嫡出子として生まれた後になって両親が婚姻した場合も、父が認知すれば嫡出子の身分を取得します(認知の時期は、婚姻の前後を問いません)。これを、準正といいます。

ところで、非嫡出子の存在を家族に伝えていなかった、いわゆる隠し子がいる場合、相続登記をするときに発覚することも多いです。

相続登記をするときには、相続人が誰であるかを確定させる必要があります(法的に有効な遺言書がある場合を除く)。そのためには、被相続人(亡くなった方)が生まれた時にさかのぼる全ての戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍)を取得することになります。

婚姻関係のない女性との間の子供であっても、認知をすればそのことが戸籍に記載されます。そこで、他の相続人が誰も存在を知らなかった子の存在が判明するというわけです。

このような場合、その子(非嫡出子)に連絡を取り、遺産分割協議に参加してもらう必要がありますが、協力を得るのが難しい場合も多いです。

他の相続人の誰もが知らなかったということは、被相続人としては、その子の存在を内緒にしたかったのでしょう。しかし、それでは自分が亡くなった後になって、残された家族(相続人)に多大な負担を強いることになります。

こういうときは、遺言書を作成し誰に遺産を引き継がせるかを指定しておけばほとんどの問題は解決します。もし、存在を内緒にしている子供(隠し子)がいる場合、ご家族のことを思うのであれば、絶対に遺言書を作成しておくべきです。

遺言書があれば、非嫡出子である相続人の協力を得ること無く、土地の名義変更などの遺産相続手続きをおこなうことができます。ただし、非嫡出子であっても遺留分は当然ありますから、遺言によって全く相続させない者としている場合には、遺留分の減殺請求を受ける可能性はあります。

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2012年10月25日 | コメント/トラックバック(0) |

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誰が遺産を相続するのか

相続人が2名以上いる場合、被相続人の遺産(財産、負債)を、誰がどれだけ引き継ぐかについてどのように決定するのでしょうか?

遺産分割の内容については、被相続人が遺言書によって指定することも可能ですし、相続人間の話し合いによることも出来ます。このための話し合いを遺産分割協議といいます。

1.遺言書がある場合

被相続人は、遺言によって、共同相続人それぞれの相続分を定めたり、遺産分割の方法を指定したりすることができます。そこで、遺言書により、誰が不動産を相続するのか定めておけば、相続人間の話し合いを経ることなく、相続登記をすることが可能です。

したがって、ご自身が被相続人の立場として考えるならば、相続人の間で話し合いがまとまらない可能性があるときには、必ず遺言書を作成しておくべきだといえます。

たとえば、再婚していて前妻との間にも子供がいる場合、当然その子供も相続人となりますから、遺産分割協議に参加してもらう必要があります。しかし、自らの死後に、もともと付き合いの無かった相続人達が集まって話し合いをするというのは、相当に困難なのでは無いでしょうか。

けれども、遺言書があれば、遺産分割協議をすることなく相続登記ができるのです。

ただし、相続人全員の同意があれば、遺言によって定められた相続分や、遺産分割の方法と異なる内容で、遺産分割を行うことも可能です。

また、遺言書によって、遺産分割協議を経ることなく遺産の引き継ぎを行ったとしても、遺留分を有する相続人からは、遺留分減殺請求をすることが可能です。

先ほどの例でいえば、前妻との間の子は、当然、遺留分権利者ですから、自分にも遺産を引き継がせるよう要求することができます。これを遺留分減殺請求といいます。

2.遺言書がない場合

遺産分割の内容は、相続人の全員の話し合いによって決定します。この協議結果を文書にしたものが遺産分割協議書です。遺産分割協議書には相続人全員が署名押印し、この遺産分割協議書を添付して不動産の相続登記を行います。

もし、協議の結果に全員が同意しないと、遺産分割はできません。そのような場合、家庭裁判所に遺産分割調停の申立をすることになります。

また、遺産分割協議をする際に、相続人の中に未成年者がいる場合、親権者(父母)が未成年者の代わりに遺産分割協議に参加します。しかし、その親権者も未成年者と共に相続人である場合、親と子との間で利益相反することになります。

そのような場合、家庭裁判所で、その子のために「特別代理人」を選任してもらい、特別代理人が子の代わりに遺産分割協議に参加します。

たとえば、夫が死亡し、妻と未成年の子が相続人となる場合は、このケースに該当するので、子のために特別代理人の選任が必要となります。

遺産分割協議では、相続人の全員が合意するのであれば、法定相続分にこだわる必要はありません。たとえば、被相続人の妻が全ての財産を相続するとしても一向に構いませんし、現実にもそのような遺産分割協議がおこなわれることも多いです。

遺産分割協議により誰が被相続人名義の不動産を引き継ぐか決定した場合には、遺産分割協議書が不動産名義変更の必要書類となります。

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2012年10月25日 | コメント/トラックバック(0) |

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遺留分がある相続人

法定相続人が2名以上の場合、それぞれの相続人は法定相続分に従い遺産を相続する権利があります。しかし、被相続人が望むのであれば、遺言書を作成したり生前贈与をすることなどによって、全ての財産を特定の人に引き継がせることもできます。

故人(被相続人)の意思が最大限に尊重されるべきなのは当然です。けれども、それでは遺産を受け取ることができなかった相続人が生活に困ることにもなりかねません。そこで、法定相続人には、被相続人の意思に関わらず、最低限の相続分を受け取る権利が与えられているのです。これを遺留分といいます。

ただし、遺留分がある相続人は、配偶者、子(またはその代襲相続人)、直系尊属で、兄弟姉妹には遺留分はありません。被相続人の意思に反してまで、兄弟姉妹に遺産を相続する権利を与える必要はないからです。

遺留分の権利を持つ相続人についての、具体的な遺留分の割合は次のとおりです。

1 直系尊属のみが相続人である場合 被相続人の財産の3分の1
2 それ以外の場合 被相続人の財産の2分の1

遺留分権利者が複数いる場合は、遺留分全体を民法の法定相続分の割合に従って分配します。たとえば、遺産の総額が1000万円で、相続人が妻と子2人の場合の遺留分は次のようになります。

遺留分全体は、相続財産の2分の1なので500万円。法定相続分は妻が2分の1、子はそれぞれ4分の1ずつ。したがって、妻の遺留分は250万円、子は125万円ずつ。

よって、たとえば、「長男に全ての財産を相続させる」との遺言を残して夫が亡くなった場合でも、妻は遺留分である250万円を受け取る権利があるのです。遺留分権利者が行うこの請求のことを、遺留分減殺請求といいます。

遺言書の作成をする場合には、各相続人の遺留分についても考慮しておいたほうが良いでしょう。

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2012年10月25日 | コメント/トラックバック(0) |

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